中部地区中材業務研究会

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第62回中部地区中材業務研究会でのQ&A
 62回研究会の質疑応答について、膨大な記録を当研究会の役員さんが作成していただいたので掲載させていただきます。

 

【講演?】

リコール回避の重要性 〜リコールシステムを構築して明らかになったもの〜

愛知県身体障害者コロニー中央病院 手術・中材 専門員 感染管理認定看護師 脇 真澄

Q1:今回の訓練では、ACが二台あったためすぐに再滅菌をすることができたが、EOGやステラッドのように一台しかないものだった場合はどうするか?

A1:EOGはBI判定が出てから払い出している。しかし、ステラッドについては、現在システムを考え中である。

Q2:ヒューマンエラーでBI・CIを入れ忘れた場合は?

A2:基本的には再滅菌を行う。しかし、緊急時など状況に応じてできない場合もあると思う。

 

【講演?】

滅菌包装の重要性(ISO11607に準拠して)

株式会社ニチオンマーケティング部 VP製品担当部長 古賀 征二

Q1:先端の尖ったもの例えば眼科剪刀などは、先をチューブで保護したりしている。また、重たいものは二重パック包装にしているが考え方についてはどうか?

A1:先端の尖ったものの包装は、非常に難しい。今回は紹介していないが、SMS不織布という素材を使用して先端保護が簡単にできるものがあり、それをお勧めする。

重い器材の滅菌バッグの二重包装は、強度からいえば不織布でのラップが一番。滅菌バッグを展開するときに清潔野が狭くなったり、バッグが破れたり、開けるときに不潔にする確率が高いので、滅菌コンテナなども有効。

【研究発表】

1.口腔外科外来器械の中央化への取り組み

日本ステリ株式会社 名古屋第二赤十字病院 中央滅菌センター所属 課長 米谷 隆志

Q1:外来のハイスピード滅菌器を使用した滅菌方法と高水準消毒薬を使用した消毒方法があるが、現場の外来の医師や歯科衛生士の協力はどうだったか?

A1:本来口腔外科で使用する物品は、口腔内で使用するものなので、滅菌までは必要ないのではないかと言う考え方だった。滅菌について話し、コミュニケーションが取れていくことで滅菌についての理解もされ、医師も歯科衛生士も協力的になった。歯科衛生士も口腔ケアに時間がとれるようになったと言っているので良かったと思っている。

 

2.滅菌業務で家庭用洗剤を使用してはいけない理由とは?

株式会社エフエスユニマネジメント 京滋中材研究会役員 久保木 修

Q1:ちなみに家庭用洗剤とは?

A1:キュキュットやジョイなどのこと。

 

3.シングルユース製品の再生処理についての当院の取り組み〜再生処理、再使用基準を明確にして〜

伊賀市立上野総合市民病院 中央材料室 前田きよ美

Q1:高額なシングルユースの医療機器の再滅菌をやめるということについて、医師の反対などがあったか?

A1:院内の感染防止対策委員会を通したこともあり、最初はめんどうくさいという声もあったが、一覧表に載っていないものは、医師の方から中材に確認してくれるということもあり、また、現場の看護師も表を見て判断し協力してくれたので特に反対勢力はなかった。

機能評価受審時は、再滅菌禁止なのでマニュアル等は出さない方が良い。しかし、グレーの部分を明確にしておくことは大切。

 

4.手術使用後の器械の洗浄評価を行って〜直接判定法:アミドブラック10Bを使用して〜

高山赤十字病院 手術室 平腰 知代子

恒温槽プラスWDもしくは超音波洗浄装置の、それぞれの洗浄評価を行ったがなかなかきれいになっていないということがあった。例えば突然アミドブラックをやったら、どうしても元々堆積している汚れを染色してしまうということもあるので、今度直接法を行うときは、リフレッシュ洗浄してから行うのがいいのではないかと思う。

 

5.滅菌物管理の改善に向けた取り組み

三重県厚生連 鈴鹿中央総合病院 手術室 野村 有美

Q1:病棟への調査の頻度はどのくらい?

A1:行けるときは、1〜2ヶ月に一度ほど。担当スタッフを決めて、調査に行っている。

中材通信などのパンフレットを作成し配布している。現場で滅菌物をどのように保管管理しているのかということを、中材から現場へ出向いて現場での管理また現場スタッフへの滅菌などについての教育も必要。

 

6.工程試験用具 (PCD:Process Challenge Device) の有効性について

愛知県厚生連 江南厚生病院 中央滅菌課 看護師長 感染管理認定看護師 仲田 勝樹

Q:.BIは週一回ですか?

A1:BIは、以前は毎日一回だったが、現在は週一回行っている。PCDは毎回行っている。

Q2:BIを毎日から週一回にし、PCDを毎回行うことについて経済的にはどうなのか?

A2:PCDを導入の際には経済的なことでコスト計算も考えた。テストパックで使用するタオルをたたむための人件費なども考え、10年スパンで同等もしくは安くなるとなった。

 

【特別講演】

新棟移転と感染管理〜中央材料室を中心に〜

旭川赤十字病院 感染管理室 看護副部長 感染管理認定看護師 平岡 康子

Q1:注射時のトレイなど患者に使用したものの洗浄はどうしているか?

A1:トレイは普通に洗浄。駆血帯はゴムをアルコール綿で拭くなどする。血液が多量に付いたときは、廃棄する。

 

【日頃の疑問や悩みを解消!Q&A】

愛知県厚生連 海南病院 医療安全管理部 感染対策室 看護師長 感染管理責任者 島崎 豊

<洗浄>

Q1:クーマシーによる直接洗浄評価で200μg以上残存する場合があるが、「洗浄剤を変更すべきか?」

「洗浄時間・温度を見直すべきか?」「前処置として酵素系洗剤に浸漬すべきか?」

A1:洗浄する器材は乾燥させないことが大切。予備洗浄剤をスプレーするとか、事前に酵素系洗剤に浸漬してから洗浄するのがポイント。これらを実施してから洗浄評価してください。

 

Q2:酵素系洗剤を使用する際、一度温度が下がると効果がないと聞いたがその理由は?

A2:酵素系洗剤を使用する場合、一度温度が下がると酵素活性が低下するので、それは良くないと言われています。一度温度を上げたらそれを維持するようにしてください。詳細については洗浄剤メーカーに確認してください。

 

Q3:超音波洗浄でガラスの注射器を洗浄してもよいか?

A3:良い。超音波洗浄は硬い素材のものならプラスチックでも洗浄可能です。

 

Q4:ノンクリティカル器材の洗浄にジョイを使用している。洗浄剤として何かおすすめはないか?

A4:ノンクリティカル器材はいろいろあるが、たとえば食器類やコップなどは家庭用洗剤でもよいと思う。しかし、鋼製小物などは医療用の洗剤とか酵素系の洗剤を使ってください。

 

Q5:WDを使用する際、アルカリ洗剤では器械が錆びているときがある。酵素系洗剤ではだめか?

A5:アルカリ系洗剤の方が洗浄力はあります。器械に錆が出るということは、洗剤の質が悪いかもしれません。まず、施設で使っている鋼製小物の器材にもともと錆がないことを確認します。もしあるのならきちんと錆除去剤で処理してから、それでも錆が出るようならアルカリ洗剤を変えてみます。器材に優しい洗剤もあるのでそれに変えて、それでもだめなら段階的に酵素系洗剤に変えていってください。

 

Q6:ウロ(泌尿器)で使用する吸引嘴管の液だまりの部分に汚れが残り、プラズマ滅菌後のケース(パック?)内に汚れが吹き出す。洗浄にブラシを用いているが何かよい方法はないか?

A6:管状用の洗浄機があればいいのですが、ない場合はブラッシングを行います。まず浸漬洗浄を行ってブラッシングします、可能なら超音波洗浄を行ってください。

 

Q7:使用済み器材の回収容器の洗浄はどのようにすべきか?WDを使用するとしたら設定はどのようにすればよいか?(現在お湯で洗浄後アルコール清拭)

A7:お湯で洗うのであれば洗剤を使って洗います。器材の回収容器は、アルコール清拭は不要です。このような容器は清浄化されていれば問題はありません。器材に予備洗浄剤を使って回収すれば、汚れは乾燥しないので、回収容器の中の汚れは水道のシャワーで軽く流すだけでも結構きれいになります。WDを使用すると、容量にもよるが、一度に回収容器はたくさん洗えません。そのため、毎回、回収後WDで洗うことはできないと思うので、あまりおすすめできません。

 

Q8:現場でどの程度の処理をしたら中央化していくことになるのか?(各部署で使用後の器械を水に浸けた後ビニール袋に入れ、中材に提出するのはただの前処理?一次洗浄?)

A8:中央処理というのは、現場で使用しているものすべて中材で洗うわけではありません。まず、滅菌するものは現場では洗わないこと。使用後の器材を密閉容器に入れて予備洗浄剤などをスプレーして中材で洗浄することが中央処理化なので、すべての器材が対象ではありません。すべての器材を中材で洗うのが理想ですが、まずは滅菌する器材を中央処理するのが第一歩です。

 

Q9:眼科器材について洗浄の超音波洗浄機(浸漬無・水のみ)で3〜5分これで汚れは落ちているのか?

A9:まず、直接判定法で洗浄評価を行って評価します。目で見てきれいでもアミドブラックでは結構青いということがあるので、現在行っている洗浄をきちんと検証することが大事です。超音波洗浄3〜5分では少し不十分。5〜10分くらいは必要です。

 

Q10:WDで洗浄する際、はさみ・ノミ・リュウエルは他の鋼製小物とは別の籠に入れて一緒に洗浄している。分ける必要はあるか?

A10:分ける必要はないと思う。ただ、はさみとかノミとかの先端が当たって刃を破損しないように工夫すれば、一緒に洗浄しても構いません。

 

Q11:WDで最短時間で洗浄するにはどのような条件なら良いか?

A1:.短縮コースでは洗浄できません。家庭の洗濯機で洗うことを考えても、半分の時間で洗濯すること綺麗になりません。洗浄には洗剤との接触時間が必要になるので、やはり時間短縮ということは考えものです。

 

Q12:プラスチックやゴム製品の再使用物を浸漬しているが必要か?

A12:汚れの度合いにもよるが、頑固な汚れの場合は浸漬洗浄してからブラッシングします。汚れが少ないまたは、汚れの乾燥もないというものであればブラッシングのみでもいいと思います。

 

Q13:洗浄後に使用する熱やけ除去剤は乾燥を早めるためにエアーで飛ばしたりタオルで拭き取ってよいか?

A13:熱やけ除去剤というのは酸性洗剤です。これで処理をしたら、もう一度洗わないとだめです。熱やけ除去剤が残っている状態でACをかけると錆が発生したりするので、錆除去剤や熱やけ除去剤を使用したら通常の洗浄を行ってください。

 

Q14:超音波洗浄機に適さない材質は何か?(プラスチックは適切?)

A14:柔らかい素材は適さない。ゴムとかシリコンとか柔らかい素材のものは向かない。あと硬い素材であれば、ガラスでもプラスチックでもOKです。

 

Q15:時間外手術の器械を翌日に洗浄する場合、蛋白凝固阻止スプレーと洗浄剤に浸漬するのではどちらが良いか?浸漬する場合錆の心配はないか?

A15:一晩浸漬するのはよくない。タンパク凝固防止スプレーをスプレーして密閉容器で保存し、翌日洗浄する方がいいと思います。

 

Q16:目視判定で分からない汚れの残存は何か問題を引き起こすことがあるか?

A16:器材に残存する汚れは、滅菌不良や術後の不明熱、創部の癒着、縫合不全などの原因となることが指摘されています。目で見てきれいでもアミドブラックで染めてみると真っ青ということがあるので、直接判定法で検証して残留タンパク質量が200μg以下ぐらいあればいいように考えてください。

 

Q17:乾燥しにくい内腔のある器械類の乾燥状態の確認方法について何か良い方法はあるか?

A17:内腔の乾燥状態の確認は困難なので、管腔器械はチューブ乾燥機とかエアガンとか吸入器とかでエアーを送って十分乾燥させてください。

 

<消毒>

Q1:除菌剤バスマジックリンでお風呂を消毒しても良いか?

A1:除菌剤で消毒することはできません。誰が入ってもお風呂を消毒する必要性はありません。お風呂用の洗剤バスマジックリンのような洗剤で洗い流してください。

<滅菌>

Q1:EOGの時、滅菌バッグにクラス4のCIを入れるのは適切か?(BIの代わりになるか?)

A1:滅菌のガイドラインとかでは、各滅菌包装材にはクラス4以上のCIを入れなさいということになっているので、お金に余裕のあるところは、単品の滅菌バッグすべてに入れているところもあります。しかし、それはBIの代わりにはなりません。BIは微生物の死滅を確認し、パック内のCIは滅菌条件を確認するので同じ意味合いではありません。

 

Q2:BIを毎回入れなければならない理由を教えてください?

A2:BIを滅菌工程1回ごと毎回入れる必要性はありません。例えばACを5回動かせば5回BIを入れる必要はありません。ガイドラインでは週一回または毎日一回が望ましいとなっているのでそれ以上は必要ありません。

 

Q3:鋭利な物や重たい物は二重パックにしている。内側のパックにシールは必要か?

A3:二重パックの中側のパックをすべてシールすると滅菌剤の浸透性は悪くなり滅菌不良の原因となります。中側のパックをすべてシールする場合は、いろんな滅菌物にパック内にCIのクラス4以上を入れて、いろんな所に置いて評価をしてください。すべての滅菌バッグのCIがきちんと変色することを確認する必要があります。

 

Q4:パックの外側に貼付するラベルを貼りなおすのは不適当か?(パックし直すべきか)

A4:ラベルを間違えて貼った場合は、ラベルを剥がすときに滅菌バッグが劣化することもあるので、パックし直した方がいいと思います。新しく滅菌バッグを交換してください。

 

Q5:歯科領域では全ての器材に滅菌レベルまで必要か?

A5:スポルディングの分類で考えていただいて、観血的な手技をするものは手術と一緒なので滅菌が必要です。それ以外のものは、セミクリティカルかノンクリティカルかで考えていただけたらいいと思います

 

Q6:BIを1〜2ヶ月保管しているが意味があるのか?

A6:使用後のBIは、陰性であればそれは感染性廃棄物の容器に廃棄してください。一般ゴミには入れないでください。長期間保管していなくてもよいので、3時間判定であれば3時間で判定しておくし、さらに12時間・24時間置いておくのもありますが、それは考え方だと思います。1〜2ヶ月間保存しておく必要性はありません。

 

Q7:ACでのハイスピード(ウォッシャー)工程での滅菌保証方法はないか?簡易ACも多用しているが保証の方法は?

A7:ハイスピードは、ウォッシャーステリライザーのことを言っているのだと思います。洗浄して滅菌できる器械です。滅菌保証というのは、BIとかCIとかACでしたらボウィ−ディックテストを組み合わせ、きちんとインジケータで変色するかを確認することが必要です。簡易型のACはフラッシュ滅菌器とかハイスピード滅菌器の場合も専用BIを毎日、クラス5のインジケータを毎回入れて評価する必要があります。

 

Q8:2本以上の鋼製小物は中のパックをカットして二重パックにしているが適切か?

A8:二重パックする必要性があるかどうか。昔からの習慣でやっているということはありませんか。滅菌バッグも丈夫なものも出ていますから、すべてを二重パックにする必要性はないと思います。コストのこともあるので。

 

Q9:手術中に落とした器械をすぐに再滅菌したい場合、用手洗浄後拭き取りハイスピード滅菌しているが適切か?

A9:まず乾燥がしっかりできているかどうか、タオルで拭く程度では乾燥できているとはいえません。例えば、重なりがある部分はまず乾かないので、強制的にエアガンとかで飛ばして乾燥する必要があります。そして、ハイスピード滅菌はなるべく避けてください。この器械しかないという場合以外は通常の滅菌器で滅菌するようにしてください。

 

Q10:滅菌バッグの内側に錆びや汚れがつきやすいメーカーとそうでないメーカーがある。バッグによって違いがあるのか?どちらが優れているのか?

A10:いろんな要因があると思うが、まず器材自体に錆が発生していて、滅菌後に錆が付着することがあります。もう一つは、滅菌器側の影響もあります。滅菌器の蒸気の質が悪かったり、フィルターが劣化している、などが考えられるので、その2点からみていただければいいと思います。滅菌バッグのメーカーによって錆がつきやすいとかそうでないということはありません。器材そのものか滅菌器側の問題だと思います。
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